こんにちは。雨季に入るのは6月〜7月と聞いていたのに、ここのところ夕方になると天気が崩れています。一昨日も、ずっとゴロゴロと雷が鳴り、稲光りがしていたかと思うと、夜になって激しい雨が降りました。日本でもここ数年は異常気象だと言われていますが、メキシコでもそうなのでしょうか。
昨日は文字ばかりになってしまったので、今日は少し写真付きの投稿を。
オアハカ市から30キロ程離れたところにTeotitolán del Valle(テオティトランデルバジェ)という小さな村があります。テオティトランデルバジェは、サポテコ族の最初の村だそうで、「テオティトラン」はナワトル語で「神が宿る土地」という意味なんだそうです。とても小さな村ですが、テキスタイルでとても有名です。地元で作られている羊毛を使って、全て手で織られています。(果てしない作業ですが、出来上がったものの柄や色合いは本当に見事!!)その鮮やかな色は、主に自然の染料を使って染められているのだそうです。手に取ってみると、ずっしりと分厚くとてもしっかりとしています。
家族でその伝統の技を受け継いでいる人たちが多く、伝統的な模様や、新しいデザイン、あるいはオーダーメイドでも作ってもらえるのだとか。
Instituto Cultural Oaxacaの敷地内にあるNGO団体
Fundación en Víaが主催するツアー
では、テオティトランデルバジェの職人さんを訪れて彼女たちの作品やそれを作る過程を見ることができます。
そんなテオティトランデルバジェに、先日足を運んできました。なんでも、「世界一おいしいレストランがある」とかなんとかで。その情報を持って来たのは、現在世界を旅しているという
Larissa Pakさん。(30カ国を旅しながら、おもしろい活動をしている人たちを取材してブログにあげるという
プロジェクトの最中なのだそうで、めちゃくちゃパワフルな女性です。)彼女が仕入れて来たその情報を元に、いざテオティトランデルバジェへ。
コレクティーボタクシー乗り場を聞いたつもりが、テオティトランに帰るというおじさんに出会い、おじさんと一緒にバスに乗車することに。おじさんはもちろんスペイン語を喋りますが、サポテコ語も喋るとのことで、乗り合わせた友だちのおじさんとはサポテコ語で話していました。彼のように、サポテコ語とスペイン語の両方を話す人はオアハカにはたくさんいます。街のどこかで不意にスペイン語ではない言葉が耳に飛び込んでくることもあります。(それぞれの部族や地域ごとにそれぞれの言葉があるというのだから驚きです。)
テオティトランの村の入口から、織り機が並んでいるのが目につきました。到着してからまずは村の中心に。すると、人・人・人!!
たくさんの見物客らしき人だかりと、その中心部にはマスクをかぶって踊り狂う人々がいました。カルナバルというお祭りだそうです。インターネットで調べてみると、日本語では謝肉祭と出て来たので、セマナサンタ(イースター)から続く宗教行事のひとつだと思います。
しかし、それはさておき、そのカオスな状況がおもしろすぎました。みんなマスクをかぶっているのですが、そのマスクは醜い顔のものが圧倒的に多かったです。子どもたちもみなマスクをかぶって、友だちと肩を組んで踊っていました。子どもたちは、ルチャリブレのマスクや、中にはスパイダーマンのようなマスクをかぶっている子たちもいて、ただ単に練り歩いているのかと思いきや、ブラスバンドの音楽のリズムにしっかりと乗ってステップを踏んでいたので感心してしまいました。観客の中にはもちろん女の人もいるのですが、踊っていたのはほぼ男性でした。スカートをはいているので女の人かな、と思ってよく見ると、やたらしっかりした体格で、やはり男の人なのでした。
もうひとつ驚いたのが鳥をかついだり背負ったりして踊っている人がいたことです。(↑の写真の中央部に写っている白い服を着た男の人がかついでいます。)鳥はもちろんまだいきていて、たまに羽ばたいたりしています。しかし、そんなことはおかまいなしに足を持ったり、赤ちゃんをだっこしたりするようにして踊っていました。それに驚いて隣にいたおばちゃんに思わず話しかけると、「あれはワホローテだよ」と教えてくれました。ワホローテは、七面鳥のことだそうです。さらに、「口元をよく見てご覧なさい」と言われたので見てみると、ワホローテのクビからひもがぶら下げられており、その先にはタバコがついているのでした。す、すごい。シュールだ!!!
見物のお客さんの数ももの凄くて、日が沈んでもお祭りは終わる気配はありませんでした。途切れることのない音楽に合わせて、それが続く限りはひたすら踊りまくるのでしょう。
会場をあとにして、いざレストランへ行ってみたのですが、なんとまさかの閉店。定休日なのか、お昼のみの営業なのか、予習不足でした。テオティトランデルバジェは小さな村なので、他に空いていそうなご飯屋さんを見つけることもできず、結局屋台で食べることに。
オアハカ名物のトラデューダです。世界一のご飯屋さんというのにはありつけませんでしたが、それに匹敵するであろうおもしろいお祭り(しかも、最終日!!)に出くわすことができて、私の初めてのテオティトランデルバジェ訪問は大満足のものになりました。
オアハカに来たら、ぜひとも近隣の村を訪ねてみるのもおもしろいと思います。
【オアハカ市内〜テオティトランデルバジェへのアクセス】
・公共バス……10ペソ(所要時間:約50分)
※Calz. Niños HeroesとCalz. Eduardo Vasconcelosの角にある野球場の前から出ています。(おじさんの話によると、15分おきくらいにあるそうです。)
※コレクティーボタクシーでも行くことができます。
それではまた。
ICOスタッフ あみ