2015年12月5日土曜日

旅行、旅、留学のことを考える。

こんにちは。

今日も風がすこし冷たいオアハカです。あっという間に週末ですね。

今日は、いつものように学校やオアハカを紹介するという視点ではなく、オアハカに来ている人、ICOに留学しに来る人を見ていて考えさせられることを書きたいと思います。

どんな人が来ているのか?

オアハカは観光都市です。工業はほとんど見かけません。(少なくともオアハカ市周辺では。)農業、手工業、そして観光業にて成り立っているところなので、市内では観光客(外国人もメキシコ人も)がうろうろしているのをよく見かけます。

観光客の中には、1)数日観光に来た人、2)しばらく滞在する人に分かれます。

あくまでも個人的な見解によるものですが、しばらく滞在する人の中には、壮年以降の世代で多いのが避寒・避暑などの目的、若年層で多いのがスペイン語を習得するために、あるいは旅の途中で居ついてしまっている感じの人、という感じです。英語が話せると、ボランティアの仕事が見つかったりするので旅をしながら経験も積むという人もたくさんいます。

しばらく滞在する人の傾向

しばらく滞在する人の中には、スペイン語を学ばずに「暮らす」ということのみを楽しむ人もいます。オアハカはアートが盛んな町なので、ギャラリーやアートスタジオはいたる所にあるので、絵を習ったりワークショップを受講したりする人もたくさんいます。リタイアした人の中には、毎年2〜3ヶ月をオアハカで過ごすというライフスタイルを確立している人もいて、いい暮らしだなぁ、と羨望の眼差しで見つめてしまいます。

欧米の(ここはメキシコなので特にアメリカ、カナダの人たちが多いですが)リタイアした人たちで、オアハカに来ている人たちを見ていると、人生を謳歌しているなぁと感じずにはいられません。日本でも、退職した世代の人たちは趣味や旅行などを楽しんでいる方が多くいますが、「外国で数ヶ月暮らす」ということを実践している人はそんなに多くはないのではないかと思います。だから、彼らのパワフルさには脱帽してしまいます。

英語のコミュニティもあるようなので、スペイン語が喋れなくても暮らすことは可能です。しかし、滞在期間の半分くらいの期間をスペイン語学習のために語学学校に通う人たちも多いです。年で言えば60代から80代の人までなので、本当にパワフルです。語学を学び始めるのに年齢は関係ないんだな、と改めて思い知らされます。あるいは逆に学ぶ意欲の高さがさらに彼らを若く保っているのかもしれません。半年や1年ぶりに戻ってきた人たちが、前にいたクラスよりもレベルアップしたクラスに配属されているのを見て本当に感心してしまいます。やはり、ただなんとなく滞在する、あるいは旅を続けているだけでは生活に張りがなくなってくるので、「語学学習」にチャレンジする人が多いようです。また、現地に暮らしているので学んだことをすぐに実践できるのでとても実用的でもあります。しかし、自分よりも上の世代の人のこのような姿勢を見ていると、この向上心は見習わなければなぁ、と思います。

若い世代でしばらく滞在する人は、2〜3ヶ月じっくりと腰を据えてスペイン語をブラッシュアップするために来たという人が多いと感じます。北米では今スペイン語の需要がどんどんと上がっているので、スペイン語が話せると仕事を探す際に有利なのだそうです。(あるいは、必須。)夏休みなどの長期休暇を利用してやってくる先生や、医療系の仕事に従事する人もかなり多いと感じます。(生徒さんや患者さんがスペイン語圏の場合が多いのだそうです。な、なるほど……‼︎)また、文化が色濃く残るオアハカには写真家やアーティストなども世界中からたくさん来ます。生徒さんの中にもそのような人が混じっていて、かなり面白いバックグラウンドをも他人と知り合うことができるのもオアハカの魅力的な点の一つです。

日本人の傾向としては1ヶ月や2ヶ月などの長期の休暇がないので、長期でスペイン語を学びに来る人は思い切って仕事を辞めて来る人が多いです。メキシコには近年日系企業の進出も著しいので、スペイン語を習得した後に就職、というのも現実的な話です。

短期滞在の人たち

短期滞在の人たちは、観光だけを目的にしているのでスペイン語学校には通わない人も多くいます。日本からの観光客も街を歩けばたまに見かけるのですが、おそらくオアハカへの滞在が数日と限られているので、スペイン語のコースをとる人はほとんどいないのではないかと推測します。

私が一番驚くのは、友達同士で1〜2週間の滞在でスペイン語の授業もとる人たちです。子育てにひと段落したくらいの年齢の二人組の女の人たちがやってきて、2週間スペイン語を勉強して、夕方や週末は観光を楽しむ、というような旅行のスタイルの欧米人が意外に多いのです。年齢にしてみたら、私の親の世代(あるいは下、上)なので、自分の母親が友達と二人で外国に出かけていて語学学校に通うという様子はとても想像がつかず、彼女たちの行動力の高さにはいつも眼を見張るものがあります。

「スペイン語学習」というと仰々しくて構えてしまいますが、短期滞在の人でも、実はとても実用的なので、オアハカに来たついでに授業も取る人が多いのかな、と思います。また、オアハカという町の規模を考えたときに、大きすぎず、かといって何もすることがない町でもないので、午前中をスペイン語のクラスに当てて、午後や休みの日にいろいろな所へ出かけて行って、勉強したスペイン語を実際に使うということを可能にさせているのかもしれません。一日中勉強、あるいは一日中観光だと疲れてしまいますが、いい割合で両方を楽しむことができれば滞在がさらに有意義なものになるし、言葉が通じると、買い物や町歩きがさらに楽しくなるので、ただの観光旅行だけでは味わえない喜びや、楽しさを経験することができると思います。ある意味、観光地ばかりを訪ね歩くよりもずっと贅沢な旅行かもしれません。

オアハカ語学留学を考える

メキシコはビザなしで最大180日(約6ヶ月)滞在することができるので、のんびりと滞在したり訪れたりするにはもってこいの国なのかもしれません。広い国なので、色々な場所を訪れるのもよし、あるいは気に入った町にしばらく腰をすえるのもよしです。オアハカの町の規模を考えると、駆け足で通り過ぎてもいいかなという気がしますが、スルメのように味わい深いこの町は、じっくり暮らしてみると色々面白いものが見えてくるので中長期の語学留学にもとても向いている町なのではないかと思います。

1週間くらいの超短期留学だとしても実践の場所がたくさんあるし、さらに観光もたくさんできる町なのでお試し的にプチ留学を体験するのもいいかもしれません。(というか、個人的には「旅行をしながら語学を学ぶ」という欧米のおばちゃんたちの旅行のスタイルが非常に面白く、日本人にも浸透すればいいのになぁ、と夢想しています。)

まとめ

色々書きましたが、決してオアハカ留学をごり押ししたいのではありません。世界中からやってくる様々な生徒さんたちを見ていると、スペイン語を学ぶのにも色々な形があって、「留学」ということを改めて考えさせられたということをまず伝えたいと思いました。

「留学=学生さんのすること」、「留学=しゃかりきに語学を学ぶ」、「留学=長期間」など、留学に対する固定観念のようなものがありますが、決してそうではなく「留学=学びたいときに、学びたい期間、好きな形でするもの」なのだなぁ、と気づかされるとそんなに大層に構える必要もないのなかなぁと思った次第です。

ああ、でもやっぱり、退職した後の世代の人のパワフルさと自由さから元気をもらいます。彼らに負けている場合ではありません。

それでは、良い週末をお過ごしください。


Instituto Cultural Oaxaca
日本人スタッフ あみ


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